生きていることが辛い日々④
その後、Kさんは定期的に荷物を取りにきたり、ただ会いにきて外食をしてまたどこかに帰る。
家賃の半分と光熱費はKさんが負担しているので、私の給料だけでもなんとか生活はできる。
動物の保険に加入していたとはいえ、猫の病院代の負担はでかいので、仕事を変えることにした。
友達に相談し、決めたのは水商売。
最初の頃はお客様に「子供いるでしょ?」とか「所帯じみてる」とか色々言われた。
少しお金に余裕が出てきたある日、母からの電話。
「早くその家を出なさい」という母、母は勘が鋭い。
母の言う通り、家をでる準備を始めた。
引っ越し先を考えるうえで、大事なのは決してKさんにばれない場所。
Kさんの思考のくせを逆手にとり、住む県を決めた。
一人で家を探すことが初めての私と家探ししたことのない母の二人で友達とルームシェアする物件を探す。
とある駅から離れたメゾネットタイプ駐車場付きの2DKの物件に決めた。
内見した時も部屋の床が一面カビだらけだったのに、無知な私は掃除すればいいだろうと決めてしまった。
引っ越し日が近づいてきたある日、曾祖父が亡くり一足先に友達に引っ越してもらい、後から私が引っ越すことになった。
カビ一面の部屋を友達に掃除してもらうことになって申し訳なかった。
引っ越しして数日たったころ、Kさんから電話が来た。
「今から帰るから」と。。。
『帰ってもいいけど、誰もいないよ』と伝えるとKさんは泣きながら怒り出し、挙句の果てには猫を奪うために裁判を起こすとまで言い始めた。
『猫には私がいないと生きていけないよ』とだけ伝えると、Kさんは何も言えなくなってた。
やっとKさんとの縁が切れた。
あれから何年も経ち、今になって思うのはKさんとの出会いは私の人生において必要不可欠なものだったと思う。
今の自分になるきっかけを作ってくれたKさんには今では感謝している。