生きていることが辛い日々③
それからしばらくして、Kさんが猫ばかりを可愛がって、自分をおざなりにしていると怒り出した。
そして、猫に触れるの禁止と。
その時の私の生きがいでもある猫に触れるなというKさんと言い合いになった。
胸倉をつかまれて殴られそうになる。
その時、猫がKさんの足に掴みかかり噛んだ。
Kさんが猫を蹴ろうとしているように見えた。
無意識に猫を守ろうとKさんの左鎖骨下を思い切り殴った。
Kさんは勢いで後ろにあったソファーにしりもちをつき意気消沈としていた。
その後Kさんは私に手を挙げることが一切なかった。
平穏な日が戻ったある日、Kさんが言った。
「ねー、俺が浮気してて悲しくないの?」
多分「俺が浮気したら悲しくないの?」と聞きたかったんだと思う。
Kさんに『浮気してて?』と聞き返す。
Kさんが慌てだしたのが、事実であると裏付ける。
その瞬間からKさんを視界にいれるこが嫌になり、生理的に無理な人になった。
それからKさんを視界にいれることも、話すこともやめた。
数日経つと耐えきれなくなったKさんはどこかに出て行った。
それから猫との生活が始まった。
夜寝室で寝る準備をしていると、猫がリビングの方を凝視する。
リビングから軋む音がするのは日常茶飯事だった。
キッチンに居る時には、キッチンの出入り口の床に近いところに灰色の何かが通り過ぎたのを視界の端で捉えた。
目の前にはキャットタワーにずっと座ってこっちを見ている猫。
ここにきても鈍感が冴えわたっていた。